霊長類最強と言われた吉田沙保里さん。連勝記録は119で6年無敗だった。その連勝記録を塗り替えたのが藤波朱理選手。三重県四日市市出身、中学2年から133連勝中。パリオリンピックで金メダルに最も近い選手と言われている。初めて世界の頂点に立ったのは17歳の世界選手権。全5試合、10点以上の差をつけてのテクニカル・フォール勝ち。相手に1点も与えず初優勝した。パリ五輪出場をかけた去年の世界選手権決勝でも相手に得点を与えることなく優勝した。藤波選手の身長は53キロ級では長身の164センチ。長い手足を使いバリエーション豊富な「攻撃」を出すという。しかし、今年3月練習中に左肘を脱臼。完治するため手術を決断した。それを支えたのはずっとそばで見守ってきた父・俊一さん。俊一さんは1988年のソウル五輪で最終選考まで残ったが出場は叶わなかった。32年勤めた高校教師を早期退職し、日本体育大学のコーチになった。東京の日体大に進学し、父と娘の2人暮らし。そして今月には完全復活をとげた。