いま「木彫りの熊」が空前のブームで高値で売れるものもある。木彫り熊の巨匠・茂木多喜治さんの作品は20万円の値段がつくとのこと。鑑定士・室園義孝さんは「北海道の八雲町の熊がコレクターの中で人気」などと話した。北海道南部に位置する八雲町は木彫り熊の発祥の地で、熊の裏に「やくも」の烙印があると高値がつくという。八雲町では街のいたるところに木彫りの熊があるが、全国のファンから木彫り熊の聖地と呼ばれているのは喫茶店「ホーラク」。鮭を咥えた定番の木彫り熊はほとんどなく、珍しいデザインの熊がたくさんあり、その数は120種類とのこと。またこの店では貴重な熊を手に取ることができるという。八雲町に木彫り熊専門店をオープンした青沼さんは「八雲の熊は鮭を咥えていないので、お客さんは熊のバリエーションに驚く」などと話した。八雲の熊は「BRUTUS」などの雑誌でも特集され、人気ファッションブランド「BEAMS」とのコラボも実現している。八雲の熊は、1922年に徳川義親が旅行先のスイスで木彫り熊を購入し、帰国後にその製作を農民に冬の間の副業として勧めたのがはじまりだという。八雲の熊は日本人の感性にあったオリジナリティ溢れるデザインで、鮭を咥えた熊が広まったきかっけは1950～60年代の北海道の観光ブームとのこと。