続いては秩父のパリー食堂へ。昭和2年から営業していて、築100年の建物は国の有形文化財にも登録されている。お店入口には昔ながらのショーケースがあり、食品サンプルがズラリ。創業当時から変わらぬデザインののれんをくぐり中へ入ると、満席の大賑わい。厨房との堺には懐かしい小窓が。小窓は料理を効率よく提供するために昭和の飲食店でよく見られた設計。カレーライスは、スパイスを使わずラーメンスープを入れたルーを使用していて、昭和当時のカレー皿で提供される。東京から観光でやってきた女性はしょうゆスープのラーメンを注文し「昔ながらのラーメンって感じ」などと話していた。中でも注文が殺到していたのがオムライス。オムライスマニアだという女性客は「薄くてかための卵で包まれている感じが昭和っぽい」などと話していて、60代男性はコップにスプーンを入れて提供される昭和スタイルに大興奮していた。お客さんの世代は昭和生まれ39人、平成生まれ32人だった。平成生まれのお客さんは「自分の知らない世界を気軽に味わえるのはすごくいい」などと話していた。しかし実はこのお店はいま存続の危機。建物に倒壊の危険があると診断されたそうで、耐震工事には莫大な費用がかかるという。店内には改修費用の募金箱も。常連客はお店のピンチを聞きつけ何度も足を運んでいるという。存続を望む多くのお客さんの声を受け、祖父から1年前に店を継いだ4代目はクラウドファンディングを活用し存続させる計画をたてているそう。