香港を拠点にビジネスを展開するのは、この街に住んで22年になる中込直樹さん。中込さんのオフィスは、雑居ビルの中。狭いスペースにシンプルなデスクのオフィスでは、やることはほとんどないと話す。香港は税率が低く海外との資金のやり取りも自由なため、貿易をするのに有利な環境が整っている。その利点を生かして、中込さんはこれまでビジネスをしてきた。きっかけは、中国の大学に進んだことだった。卒業後、香港でプラスチックを扱う日系の商社に就職した。そこで携わったのが、ペプシマンのボトルキャップ。会社は急成長を遂げるが社長が事業を広げすぎた結果、最終的に社長は”夜逃げ”したという。残された中込さんは、新たな会社を立ち上げ18年間コツコツと事業を広げてきた。九龍島の再開発地区にある西九龍駅から乗り込むのは、時速350キロを誇る中国の高速鉄道。その先に中込さんの香港ドリームがあるという。