JR東日本の喜勢陽一社長は、国土交通省が来月公表する予定の鉄道の設備維持などにかかる基準コストを踏まえ、値上げの余地があれば、今年の秋にも値上げの申請を行う考えを示した。喜勢社長は「消費税の転嫁をした以外は運賃をずっと据え置いてきた」としたうえで「鉄道事業をサステナブル(持続的)に、しかも安全をしっかり守って運用していくということで、運賃値上げをお願いすることになろうかと思う」と述べた。JR東日本は、去年3月にも一部区間で運賃を10円値上げしているが、このときの目的はホームドアの設置など駅のバリアフリー化を進めるためだった。値上げの動きは各社に広がっている。JR九州は先月、燃料高騰や人材確保のため、運賃の値上げを検討していると表明。赤字が続くJR北海道は、来年4月から運賃をおよそ8%値上げすると発表している。JR東日本によると、仮に値上げの許可が出た場合でも、システムの改修があるため、実際の値上げは来年度以降になる見通しだという。