東洋大学・桐生正幸教授に、どのようなときにカスハラになるおそれがあるのか聞いた。「レストランで注文した料理と違う」「時間どおりに来なかった配達員に理由を聞く」。この対応自体は正当なクレーム。行き過ぎてしまうことに注意が必要。相手を強く叱責するなど、激しい口調で伝えたり、執ように繰り返したりと行為がエスカレートしていくと、カスハラと捉えられるおそれもある。「家電量販店の店員と世間話をする」。関係ない話が長時間に及ぶと、著しく店側の業務を妨げてしまう可能性もある。専門家は、カスハラは無自覚にやってしまっている場合も多くあるとしている。どこまでが正当なクレームで、どこからがカスハラになるのか。その区別は難しいからこそ、企業だけでなく一人一人の意識も大切。