現代の茶道の形を確立した千利休が作った4畳半の茶室。それをもとに造った又隠という茶室は典型的な茶室の間取りとして広まった。今回は又隠を忠実にコピーして造った茶室を見学する。見学するのは又隠茶席という現在最古の又隠の写し茶屋。にじり口という小さな入口から茶室に入ると、窓からの明かりが薄暗い部屋を照らす。招かれた客は無人の茶室へと入り、お茶を点てる亭主を待つ。重要な役割を果たしていたのは様々な形の窓。窓の目的は場所を照らすてめに配置されていて、窓上窓で光の加減を調整できる。部屋の形が4畳半の理由。正方形は上座・下座のない平等性を象徴する形。「茶道では茶室の中は身分関係なく茶を楽しむ」という考えを表している。柱が途中で消えて壁が滑らかにつながっていることで、奥行深く感じさせる錯覚を利用している。狭さを感じにくくさせる仕掛けがされている。