東海東京証券アメリカ・柴田さんは24日のニューヨーク株式市場について「市場全体としては小動きとなり、主要指数は小幅な動きにとどまった。一方で中国人民銀行が利下げや株式市場への16兆円あまりの流動性支援を行うことを発表し、米国上場の中国企業・ADRはほぼ全面高となった。また、ラスベガス・サンズやウィン・リゾーツなどのカジノリゾーツ銘柄をはじめ、中国での事業ウェイトの高い銘柄が買われた」と述べた。また、柴田さんは「円キャリートレード」に注目しているそうで、「円キャリートレードは金利が低い円を調達し、金利が高いドルなどに転換して運用する投資手法。先月、円キャリートレードの巻き戻しが一斉に行われたことで急速な株安や円高が起きたとされているが、私はまだ収束していないのではないかとみている。海外への貸出残高を見てみると、円キャリートレードが加速した2020年以降、ドル円との相関性が高まる過程で増加しており、そのかなりの部分が円キャリートレード分と推定される。足元のデータはまで出ていないが、ピーク時で620兆円以上あった海外資産が2020年以前の水準まで急減したとは考えづらく、円キャリートレードのポジションは解消されていない可能性がある。実際に投機筋はまだ円キャリートレードの巻き戻しが起きると考えている様子。デリバティブ市場ではこれまで売りが優勢だったが、買いが優勢に転じている。これは今後さらに円高になるとみている投機筋が増えていることを示唆している」などと述べた。