ウクライナに駐在する松田邦紀大使が、離任を前にNHKのインタビューに応じた。ロシアによるウクライナ侵攻前に着任した松田大使。およそ3年間の任期を終えて、まもなく帰国する。今の心境について「戦争は3年目に入り、現時点でいつ終わるか言えない状況にある。このタイミングで離任するのは、戦争の終結を見届けられないという意味で残念な気持ちだ」と述べた。松田大使の離任を前にウクライナ・ゼレンスキー大統領は「日本とウクライナの強力な2国間関係を築いてくれたことに感謝したい。われわれには、かつてこのような強い関係はなかった」と述べた。日本がG7議長国として果たした役割に感謝したほか、勲章を手渡した。日本が進めてきた支援。松田大使は、避難民への支援に始まり、エネルギー支援や地雷の除去など、ニーズに合わせてきたと振り返った。「復旧、復興を進めることで経済活動を徐々に戻し、輸出も行い、結果として国庫の税収も増やすというサイクルをしっかり作り上げるタイミングに来ている」として、今後は日本企業も巻き込んだ支援に力を入れるべきだという考えを示した。ウクライナ軍はロシア西部・クルスク州への越境攻撃を続ける一方、ウクライナ東部ではロシア軍の攻勢で、2年以上にわたって守ってきたドネツク州の交通の要衝を奪われるなど相次いで後退を余儀なくされている。松田大使は「和平を実現するにはウクライナが戦場で主導権を握るとともに、外交努力を続けることが重要だ」と強調した。さらに、支援の継続の必要性を訴えた。