石川県珠洲市の塩井一仁さん(63)は地震で2階建ての自宅が倒壊し、妻・紀美子さん(64)を亡くした。塩井さんは将棋愛好家で約18年前から多くの将棋盤や駒を所有していて、10年以上前から金沢で行われる棋王戦では塩井さんの将棋盤と駒が使われてきた。塩井さんは「悲しい出来事があったので今年はやめておこうと被災した後から考えていた」などと話した。地震の3週間後に塩井さんは「被災した現場を目に焼き付けようと思って、がれきの上に立ったら隙間から青の模様が見えた」などと話し、奇跡的に無傷で残された駒をがれきから発見したという。亡き妻に背中を押されたという思いから今年も提供を決断したという。塩井さんは「今回の提供がぜひ復興の契機となる形になれれば良い」などと話した。今回無傷で見つかった駒は明後日の第49期棋王戦第2局で使用予定とのこと。