いま、新卒の就職活動は人手不足と働き方改革の影響などで、採用したい企業のほうが多い売り手市場。仕事を変えることが当たり前の大転職時代が来るともいわれている。総務省のデータによると、去年の転職者数は300万人超。そんな中、SNSなどを中心に「JTC(ジャパントラディショナルカンパニー)」という言葉も生まれている。日本的な古い習慣や制度を色濃く残す会社の運営や企業文化を皮肉るときに使われる。デジタルマーケティングなどを展開する会社で働く丹羽さんは2018年に大手銀行に就職したが長期的なキャリア形成に重きを置いている環境で年功序列が根付いていたため2年前に転職。現在はアマゾンなどのネット通販サイトのページ作成をまかされている。総合電機メーカー・日立製作所では、2011年以降、ジョブ型雇用を段階的に取り入れている。ジョブ型雇用とは、仕事内容に必要なスキルや能力を持つ人を雇用する専門性を高めた採用方法のことで、採用時に配属が確約される。内定辞退率は事務系では約10%下がっているという。将来のCEO候補を育成する動きも。30〜40代の社員の中から、特に優秀と判断した50人をFuture50と銘打って選出。現在140人ほどに増え、実際40代でグループ会社の社長に抜てきした実績もある。