同じく大胆すぎる決断で異業種へ参入した会社も。1969年、荒川の河口近くに貯木場として建設された新木場。そこに行列を成す場所が。創業100年を超える老舗材木店・榎戸材木店。敷地内で営業している食堂だった。健康にこだわったランチが評判を呼び行列のできる人気店となっている。日替わりメニューは大山どりのチキン南蛮。マヨネーズなどの調味料まで手作りというこだわりの定食。うみねこ食堂・茅根栞菜さんは「新木場や辰巳エリアの人の健康を支えるということをコンセプトにやっている」と語った。材木店が食堂を開くきっかけは新木場のランチ事情にあった。新木場は、ランチに利用できる飲食店が少なく、この材木店でも常に悩みの種だった。元シェフの従業員が社員のために賄いを開始すると、味と栄養バランスが社内で大評判。飲食店が少ない地域のため食堂を開くことを社長が決断。瞬く間に評判となり多い時には1日100食を超える売り上げに。本業の材木店に思わぬ効果が。茅根さんは「材木と食堂を合わせてコラボ。食べに来てもらい、木の空間で食事をして、こういうの作れますかとか、本業のほうにもつながっていくのが多い」と語った。