管楽器の修理にも熟練の技が必要。飯塚丈人さんは管楽器修理のスペシャリスト。修理歴37年で多くの演奏家から頼られる存在。この日はNHK交響楽団のトランペット奏者・山本英司さんと打ち合わせ。管楽器は使っているうちに音が微妙に変化してしまうが、飯塚さんは音の微妙な変化も直してくれるという。飯塚さんの作業場には見慣れない道具が並んでいた。有名オーケストラの演奏家が本番当日にケースのカギを閉め忘れ、高所から落としてしまった時も本番までに修理したという。トランペット修理の様子を見せてもらった。ベルと呼ばれる先端の広がった部分は、かたい金属に押しあて形を整えたら、キズつけないよう工夫されたハンマーやローラーで微調整する。約2時間で完了した。修理費用は約3万円。U字部分の修理は柔軟性のある金属の棒を使う。棒の先端のへこんだ部分にあて内側から押して修理する。U字部分の修理も約3万円。細かなへこみの修理は直径1cm重さ8gほどのかたい鋼鉄の球を使う。球を管の中にいれ、へこみ部分へ。下から770回以上叩いて直した。下から叩いて金属球を揺らし、その衝撃でへこみを戻している。管の暑みが0.3mmほどしかなく、金属球がかたいので可能となる技法だという。修理費用は約2万円。ずっと上を向いて作業するため、めちゃめちゃしんどいと語った。5時間の作業を経てへこみが元通りに。飯塚さんは0.01ミリ単位で微調整して音色の調整も行う。料金は5万円~。