1950年代の日本映画の黄金期に制作され70年ぶりに発見された名探偵金田一耕助が主人公の映画について、劣化したフィルムの修復費用を募るクラウドファンディングがきょうから始まった。1954年に公開された横溝正史の小説が原作の映画「悪魔が来たりて笛を吹く」。名探偵金田一光介を当時の時代劇スターの片岡千恵蔵さんが演じ、スーツ姿でアクションも見せるなど、原作のイメージとは異なる金田一が見られる貴重な作品。フィルムの所在が長くわからなくなっていたが、ことし1月、16ミリフィルムが発見され、作品を制作した映画会社に寄贈された。会社では、劣化したフィルムのゆがみや傷を修復する作業に入っている。修復費用は400万円以上が見込まれ、ほかの経費もかかることから。その一部をきょうからクラウドファンディングで募ることにした。目標金額は映画の最初の公開日にちなみ195万4427円に設定された。会社では、寄付した人を対象に来年1月に都内で上映会を開く計画。