去年1年間に世界で販売されたEV(電気自動車)は908万台にのぼり、中国メーカーはうち40%を製造したという(マークラインズ調べ)。中国政府の後押しによって、国内に巨大なマーケットが形成され、EVのバッテリーに必要な希少資源の供給網を押さえていることも大きい。対して、日本製のEVは大きく遅れをとっている。目下、走行距離を長くしたり、充電時間を短縮できる全固体電池、性能をコントロールするソフトウェアなどの開発が進められている。ただ、EVの販売台数は23年から今年にかけて伸びが緩やかとなっている。ガソリン車と比較すると依然として割高で、充電スタンドの少なさなど利便性で劣る。さらに中東情勢の緊迫化でガソリン価格は高騰。EVは不便で、ガソリンは節約したいと考える消費者がハイブリッド車に興味を示していて、日本メーカーにとっては当面、収益を確保できる見通し。地域ごとに異なる環境対応車のニーズに応えながら、主流が予想されるEVの分野で競争力のある車の開発を急ぐという中長期的な戦略を描く必要があるという。