アゼルバイジャンで開かれている気候変動対策を話し合う国連の会議「COP29」では12日、首脳級会合が始まった。途上国からは気候変動対策への資金拠出の増額を訴える声が相次いだのに対し、先進国側からは新興国にも資金の拠出を求める考えが示され、新たな資金目標で合意できるかが焦点となる。途上国への資金援助について新たな目標を決めることになっている今回のCOP。12日始まった首脳級の会合では、海岸の浸食など気候変動による被害を受ける島しょ国の首脳から目標額を増やす合意をすべきだという声が相次いだ。こうした訴えに対し、EU(ヨーロッパ連合)のミシェル大統領は「EUはすでに多くの資金を拠出している」としたうえで「G7や新興国を含むすべての国々が私たちにならうよう求める。拠出国のすそ野を広げる必要性を強調する」と述べ、中国やインドなどを念頭に新興国などにも拠出を求めていく考えを示した。これまで大口の拠出を行ってきた米国で温暖化対策に後ろ向きなトランプ氏が大統領選挙に勝利し、資金拠出が止められることへの警戒感が高まる中、新たな資金目標で合意できるかが今後の交渉の焦点となる。