大阪・吹田市に住む瀬戸口有里子さん(48)は頭の中でイメージが浮かばない認知特性「アファンタジア」。例えば「リンゴ」の場合、イメージができなくても、赤い・丸い・甘いなどの特徴は理解できる。瀬戸口さんはハチドリやカワセミなどの美しい絵を描くことができるが、幼少期は絵や工作が苦手だった。2年前にインターネットでアファンタジアを知り、多くの人との違いに初めて気づいた。アファンタジアは2015年に提唱された新しい概念。メカニズムが未解明で明確な判断基準はない。アンケート調査では約4%にみられるという。多くの人は先天的で視覚以外にもあらわれる。瀬戸口さんは18年前に一緒に料理本を作った職場の先輩・金岡千嘉さんを訪ねた。仕上がりをイメージできず準備に苦労したという。金岡さんは失敗した時にできなかった原因を分析する能力が瀬戸口さんは高かったと語る。6月のある日、瀬戸口さんは個展の準備に追われていた。絵の「説明書き」は自ら執筆した。個展初日は10時にオープンすると多くの人が訪れた。瀬戸口さんは見た人が自分の絵からどんなイメージをふくらませたか話を聞くのを楽しみにしていた。個展を通じて実感したのは「モノの見方は人それぞれ」。アファンタジアについて、ポジティブな感じで言葉が広まっていったらいいなと語った。
