中国浙江省金華市にあるにある養老施設。施設の外には子どもたちが遊ぶ遊具がある。看板には、5歳から10歳向けの遊具と書かれている。外を散歩する高齢者もいるが、もちろんこうした遊具で遊ぶことはない。ここは元々は幼稚園だっただが、リフォームし養老院に生まれ変わった建物。中国では1949年の建国以来、初めて3年連続で人口が減少(中国国家統計局より)。急速に少子高齢化が進んでいて、幼稚園として経営していくのは厳しい状況になっている。中国では低い出生率を背景に「産科の冬到来」との声も出ている。婚姻数も激減している。2024年の件数は610万6000組で前年から20%以上減少した。こうしたことに危機感を強めているのは親たち。平日の昼間に公園に集まる多くの人。通路の脇には白い紙がずらりと並んでいる。白い紙は独身の子どもを持つ親らが結婚相手を探すため用意したもので、我が子の年齢や身長、学歴、年収などのプロフィルと連絡先が書かれている。ところが若者の姿はほとんどなく、見ているのは親とみられる人たちばかり。こうした現象は中国各地の公園で起こっていて、親同士の代理見合いの場となっている。中国は少子化に歯止めをかける狙いで、結婚の手続きを簡略化する改正案をおととい可決した。これまで親が管理していた戸籍簿の提出が不要になり、男女2人の同意だけで結婚できるようになる。