秋の米国大統領選挙に向けた初のテレビ討論会を受けて、有力紙ニューヨークタイムズは、再選を目指すバイデン大統領の不安定さを指摘し、選挙戦から撤退するよう求める社説を掲載した。テレビ討論会では声がかすれ、数秒間ことばに詰まる場面があったほか、トランプ氏による批判に切り返せない場面が目立ち、与党・民主党の一部からもバイデン氏を党の候補者に指名することを疑問視する声が出ていると伝えられている。ニューヨークタイムズ電子版(28日付)の社説では「この時期になって新しい民主党の候補者を立てることは容易ではない」としながらも、「トランプ氏の危険性、バイデン氏の不安定さを鑑みれば、米国は共和党候補に対抗できる、より強力な人物を必要としている」などと指摘している。民主党支持層の読者を多く抱えるニューヨークタイムズが社説で撤退を求めたことで、バイデン氏への撤退圧力が強まるきっかけとなるのか関心を集めている。