米国・フィラデルフィアからの中継。人口9万人余りの町で双方が票の獲得に向けて激しく争っていた。情勢はどうなのだろうか。ペンシルベニア州では2人の支持率は今同じポイントで並んでいる。ペンシルベニア州のヒスパニック系の有権者の割合は6%と決して多くはないが、両陣営が取り込みに力を入れるのはこれが理由といえる。さらにほかの6つの激戦州でも状況は同じで激しく競り合っている。また全米でも支持率はきっ抗している。こうした情勢では僅かな票でも勝敗の行方を左右する可能性がある。こうした情勢の中で3時間後に迫ったテレビ討論会だが、両者初の直接討論、直接対決となるが、最も注目する点はどんなところだろうか。ひと言で言うと大統領らしさ、これをどちらがより強く効果的に有権者に印象づけられるかという点だと思う。まずは政策面で有権者の関心が高いテーマについてどれだけ具体的に政策を語り、有権者を説得できるか。急きょ大統領候補となったハリス氏としては大統領としての資質や人工妊娠中絶の権利擁護など推進したい政策を有権者に明確に印象づけたいねらいがあると思う。一方のトランプ氏だが、インフレや移民問題といった国民の間で不満が根強い分野でバイデン政権で副大統領を務めているハリス氏の責任を追及していく構え。さらに発言やふるまいの印象も注目だと思う。過去のテレビ討論会では政策論争よりも討論会での発言やふるまいが切り取られて伝えられ、その後の選挙戦の流れに影響を与えたこともある。ことし6月のバイデン氏とトランプ氏による討論会でもバイデン氏が精彩を欠いたと繰り返し伝えられ、撤退に追い込まれるきっかけとなったのは記憶に新しいところ。3時間後に迫った選挙戦の大きなヤマ場で2人がどのようなパフォーマンスを見せるのか。全米の目が注がれている。注目のテレビ討論会は日本時間の午前10時から始まる。