トランプ前大統領の選挙戦略に変化がみられると指摘されている。共和党の選挙戦略に詳しいクリス・キューピット氏は8年前の訴えへの「回帰」と指摘。前回の選挙で経済運営の実績を訴えるも支持が広がらなかったことが「回帰」につながったと分析している。その上で2016年にアピールしていた移民・国境管理・製造業への政策に回帰しているとした。さらに指摘するのは選挙戦略の「効率化」。今回の選挙戦は時間をいかに効率的に使うかに重点が置かれている他、選挙資金の使い方も見直されているとした。トランプ政権で大統領補佐官を務めたピーター・ナバロ氏はこの効率化がスタッフとの関係にも及んでいるとし、以前に比べ誰を信じるべきかより理解するようになったと分析した。そして3つ目の変化は発言の更なる「過激化」。トランプ氏は民主党左派を指す言葉として「内なる敵」という言葉を用いるようになり、ジェイソン・スタンリー教授は「内部の敵を破壊しなければ国家は滅びるなどと恐怖と不安をあおり、その解決者として自らを誇示する狙いがある」などと分析した。その一方で演説の長時間化・一貫性の無さも指摘し、感情をコントロールできなくなっているのではないかとした。