トランプ大統領が大歓声で迎えられたのは第二次政権発足後初めて臨んだ施政方針演説。熱狂に包まれる会場だがトランプ大統領のすぐ背後には「これは普通じゃない」というボードを掲げた女性がいた。そのボードはすぐさま投げ捨てられた。不穏な空気のなか始まった演説で高らかに宣言したのは「アメリカンドリームの再生」。トランプ大統領は「メキシコとの国境に国家緊急事態を宣言し、不法移民の取り締まりを始めた。メキシコ湾をアメリカ湾に変更した」などと述べ、就任から1カ月余りで多くの成果を上げたとアピールした。ただ、発言のたびに立ちあがり拍手を送るのは、与党議員だけで、野党議員は座ったまま。この異様な雰囲気のなかトランプ大統領に異を唱えた人物がいた。野党・民主党のグリーン議員だ。バンス副大統領は「出ていけ」とも取れるジェスチャーをした。グリーン議員はヤジで場を乱したとして退場させられた。1時間40分近く続いた演説で、トランプ氏「他国は何十年ものあいだ、アメリカに関税をかけてきた。今我々が使う番だ」と語気を強めた。トランプ政権は4日からはカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課している。そして新たな関税の導入を発表した。アメリカ製品に高い関税を課す国からの輸入品に同じ関税を課す「相互関税」を発動すると明言した。