下妻市にある豚肉の生産や販売を手掛ける店、オリジナルのブランド豚を手掛け、加工品などを販売している。このブランド戦略の中核を担うのがエサの飼料用米。コメには栄養価が高く、エサに加えるとオレイン酸を多く含むブタになるという。倉持勝社長はエサのコメを半分ほどにするこだわりの飼育方法に取り組んできた。今、コメの価格高騰でエサの調達環境が大きく変化した。例年150トンの飼料用米を調達しているが、ことしはまだ25トンしか入手の見通しが立っていないという。知り合いの農家からも提供を断られているという。県内でも飼料用米を減らし、主食用米を増やす農家が増加している。コメ農家の大谷広城さんは40haの田んぼで主食用と飼料用を生産している。飼料用米の収入は10ha当たり10万円ほどで主食用米の半分程度。価格差が大きいことや、主食用米の供給を安定させるために、飼料用米の生産を例年の半分以下におさえることにした。倉持さんはこれまでの飼育方法を見直さざるを得ないと考えている。味に影響がでる可能性があるが、麦の量を増やすことやコスト増を受け入れるか。行政には畜産農家に配慮した対策を検討してほしいと訴えている。