永楽屋に婿入りし、14代目となった細辻伊兵衛さん。社長に就任し、1999年まで永楽屋は30年間赤字続き。手ぬぐい需要の低迷化が2代前の伊兵衛さんがタオル事業に進出したものの、失敗。破綻寸前にまで追い込まれていた。そこで伊兵衛さんが見出した突破口は、伝統の世界観のアップデート。引っ張り出してきたのは、倉庫に眠っていたてぬぐい。明治から昭和初期にかけて作られたものは自由で遊びココロあふれるデザインは、現代にも通用すると考えた。まず行ったのは生地の品質のアップデートを行った。長年永楽屋の手ぬぐいをつくってきた染物工場では版画のように重ねて手ぬぐいをつくる。その生地は伊兵衛さんが独自に開発した世界で唯一のもの。その生地に使うのは、毛羽を取り除いたコーマ糸。手ぬぐいの9割に使われるカード糸に比べ価格は2倍ほど。コーマ糸は細く切れやすいために、技術力の高い愛知県の織物工場で時間をかけて丁寧に織っていく。従来のものと比べ、開発した生地のほうが目が格段に細かい。従来の生地に液を垂らすと滲むが、開発した生地は、色合いも鮮やかで縁もはっきりとしている。この生地の開発で繊細かつ発色のよい絵柄が再現できるように。2000年には直営店をオープン。その店で手ぬぐいのデザイン性をアピールし、毎年20以上の新商品を発売した。就任から3年で黒字化に成功した。
あれから11年、伊兵衛さんのアップデートは今も続いていた。ある歴史的な作品を手ぬぐいで再現しようとしていたが、平安時代に書かれたとされる鳥獣人物戯画。そのできを確認しに来たという。
あれから11年、伊兵衛さんのアップデートは今も続いていた。ある歴史的な作品を手ぬぐいで再現しようとしていたが、平安時代に書かれたとされる鳥獣人物戯画。そのできを確認しに来たという。
