特定外来生物に指定されているウォーターレタスと呼ばれる水草が、熊本県で大繁殖し問題が深刻化。ボタンウキクサという日本名はつけられているが、我が国固有の生物を脅かす特定外来生物に指定されている。熊本で、初めてウォーターレタスが確認されたのは2001年。2年ほど前から県の中部を流れる加勢川を中心に急速に勢力を拡大させ、地元行政を悩ませている。熊本河川国道事務所緑川下流出張所・井上雄輔所長は「水草が枯死して腐敗することによる水質悪化や生態系への影響が考えられる。流出すると下流のアサリやノリの繁殖施設に被害を与えることも懸念される」と語る。大繁殖の背景については「夏場に非常に気温が高い日が続き、繁殖環境になっているのが一因」と語った。熊本市は、水草刈取船や重機を導入するなどウォーターレタスの除去に躍起となっている。熊本市東地区土木センター維持課・松本良則課長は「年間250日程度(除去)作業を実施している」と語った。2006年に大阪で大発生して問題となるなど、ウォーターレタスは現在も関東より西の地域を中心に繁殖を続けている。熊本市環境政策課・住谷憲昭課長は「日々駆除しているが、上流からの流入や鳥に運び入れられるなどがあるので、根絶する方法など根本的な解決策は見いだせていない」と語った。