価格高騰が続くコメ。政府は備蓄米の放出について、その数量や対象者などの概要をあさって公表すると明らかにした。東京・世田谷区の販売店では、コメの仕入れ価格の上昇を受けて、去年の秋以降、一部の商品を10%ほど値上げした。しかし、秋以降も仕入れ価格の上昇は続き、先月からは去年の同じ時期の2倍以上の水準だという。コメの流通が滞っているとして放出される備蓄米。去年6月の時点で全国の倉庫に91万トン保管されている。放出はこれまでは一般競争入札で行われ、国が決めた予定価格を上回る金額を提示した業者のうち、最も高い価格を示した業者が落札している。市場への放出はこれまで深刻な不作や災害時などに限定されていて、流通の円滑化を目的にしたものは今回が初めて。販売店では、卸売り業者からコメの確保そのものが難しくなってきていると伝えられていて、政府がどのくらいの備蓄米を放出するのか注目している。三菱総合研究所・稲垣公雄研究理事は「10〜20万トン単位くらい(放出)と言わないと効果が出てこない。限定的になるのでは」とコメントしている。