国家がんセンターの統計によると中国では2022年にがんにかかった人が推計で480万人にのぼっている。中国・江西省・南昌のがん専門病院のすぐそばに患者の家族が集う“貸し台所”がある。近くの市場で仕入れた食材を調理し患者のもとに届ける。中国の病院では持ち込んだものを食べるのか、病院食を食べるのか患者の判断にゆだねられている。貸し台所を営む夫婦がいる。夫は自らも父親をがんで亡くした。21年前から貸し台所を始めた。貸し台所オーナー・万左成は「60歳でやめようと思っていたが患者や家族と親しくなりやめられなくなった」と話した。利用者は1日約200人。ある患者は治療費として1万人民元(約22万円)を支払っている。大きな負担となるため、こうした患者や家族の負担軽減に一役買っている。妻の看病を続ける男性は「ここは万夫妻の思いやりにあふれている」と話した。夫婦は経済的不安を抱える患者の女性に無償で部屋を貸し、力づけた。貸し台所は中国各地に広がっている。