宇治山田駅の設計を任されたのは久野節。鉄道建築の第一人者と呼ばれた。1882年に大阪で生まれ東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を卒業後に千葉県技師へ。彼の初期の代表作は千葉県立佐倉高校の旧校舎。シンボルは2つのドーム屋根で妻飾りのハンマー・ビーム。正面ポーチは桜の透かし彫り。優雅さとシンプルさを併せ持った。この佐倉高校は長嶋茂雄の母校。30歳を前に久野は鉄道院に入庁した。当時鉄道網の急速な発展に駅の建設が間に合わず多くの駅舎は間に合わせのバラック同然だった。初代建築課長に就任した久野節は日本各地の駅を手掛けた。1928年に建築事務所を設立。より自由な環境のもと、数々の名駅舎を手掛けた。東武鉄道の浅草駅は昭和モダンの佇まい。南海鉄道の難波駅は神殿のような柱がある。テラコッタの装飾が堂々と。宇治山田駅の設計図は浅草駅、なんば駅と宇治山田駅と同時期に造られ、建築家として脂の乗り切った作品。
住所: 東京都豊島区
