5年前の10月31日未明に起きた首里城の火災では、正殿を含む6棟が全焼した。正殿の再建工事は再来年秋の完成を目指し進められていて、風や雨から守る素屋根の中で作業が行われている。すでに正殿の骨格は完成し、ことし7月からは屋根におよそ6万枚の赤瓦を取り付ける瓦吹きの作業が進められている。また、外壁の塗装もことし夏から始まり、正殿のシンボル・弁柄色や朱色に塗る前の20以上ある工程が進められている。今は補強のための布が張られ、柱や外壁の一部は真っ黒の状態だが、来年の夏前には塗装を終えることを目指しているという。このほか玉座を飾る御差床龍柱や内法額木といった彫刻などの修復作業も続いている。一方で、被害を受けた美術品の修復にはまだまだ時間がかかり、職人の育成が課題となっている。内閣府沖縄総合事務局の担当者は“工事は着実に進んでいる。再建に向けた歩みを見に、ぜひ足を運んでもらいたい”と話していた。