再審で袴田巌さんの無罪が確定したことを受けて、最高検察庁と静岡県警察本部が検証結果を公表した。社会部デスク・北田敦士が、最高検の検証のポイント(自白の強要、審理の長期化)、静岡県警の検証のポイント(証拠のねつ造)について解説。最高検の検証では否認している袴田さんに対し犯人と決めつける発言をしながら自白を求めたのは適切ではなかったとしている。審理の長期化が検察が証拠を開示しなかったとの指摘については、当時は刑事裁判においても証拠開示の制度そのものがなく検察官の対応に問題があったとは認められないとしている。また証拠の捏造については、現実的にありえない、客観的な事実関係と矛盾するので検察側に問題があったとは認められないとした。一方静岡県警は、捏造を行ったことをうかがわせる具体的な事実や証言は得られなかったが、捏造が行われなかったことを明らかにする事実や証言も得られなかったとしている。再審制度をめぐっては現在、超党派の国会議員で作る議員連盟が法務省に再審法の改正を求めているほか、法務省は早ければ来年の春にも法務大臣の諮問機関である法制審議会に検討を諮問することにしている。