3月、北海道・浦河町にある施設「浦河べてるの家」に月形刑務所の刑務官たちが集まっていた。刑務官たちはソーシャルワーカーの福岡から精神障害の人へのケアの仕方をどうしているのかなどを学んでいた。「浦河べてるの家」では治療ではなく研究が行われており、一人一人が自分の病気の研究者となり生活の中での苦労などを発表し合い、地域で暮らしていくことを目指している。向谷池理事長が務めていたかつての精神病院では一方的な治療が行われ、向谷池理事長は疑問を抱いてきた。向谷池理事長は「浦河べてるの家」では自分のことだから一緒に研究しようと言って始まったのが当事者研究であったなどと明かした。2月、月形刑務所では向谷池理事長がこれまで培ったノウハウを刑務官たちとグループミーティングを行い、レクチャーしていた。北海道で育まれた対話の手法が受刑者意識を変えることが出来るかに注目が集まっている。