思い出とともに残したい球場で撮影した画像や動画。インターネット上への投稿を制限する新たなルールが先月から設けられた。しかしプロ野球ファンからは「さみしい」「ややこしい」などの声。ルールが作られた背景には試合の映像が無許可でネット配信されている問題があった。時代とともに変化するプロ野球の楽しみ方。これからどうなっていくのか。新ルールを徹底解説する。NPBが新たに定めたSNSの投稿ルール。撮影について新たなルールでは試合前後、試合中問わず写真も動画も撮ること自体はOK。一方で制限が設けられたのがネットでの投稿配信。例えばリアルタイムでのネット配信は禁止。プレー中の選手の写真や動画のSNS投稿は禁止。ただ、試合のあとなら投稿できるものがある。それはプレー中ではない選手の140秒以内の短い動画や写真。具体例を紹介。ポイントはプレー中かプレー中ではないか。SNS投稿に関するルール。NPBはなぜ新たに作ったのか。背景には無許可で試合のライブ映像をネット上にアップし、収益を得る行為があること。実際のYouTubeの投稿。動画は2時間半を超える試合の様子となっているがタイトルを見てみると「完全版」と書かれ、視聴回数は4万8000回を超えている。このほかにもホームランの様子、注目試合の様子の投稿も。NPBによると試合が行われているときに球場から無許可ライブを行い、収益を得ているとみられる動画も確認されたという。NPBの担当者は「放映権の侵害、営利目的の投稿に対して対応していきたい。ファンはルールを守って楽しんでほしい」と話していた。SNSに詳しい専門家・徳力基彦さんは新たなルールを評価している。一方、ほかのスポーツではSNSでの拡散が新たなファンの獲得につながるとして試合中の投稿を積極的に呼びかけている。サッカーJリーグは2022年2月に試合中の写真のSNS投稿を解禁。バスケットボール男子Bリーグも試合中の投稿を推奨。徳力さんはプロ野球もルールを分かりやすくしてファンを取り込むことが大事だと指摘する。NPBは取材に対し、このルールを運用しながらファンとコミュニケーションを取って内容の見直しも考えていきたいとしている。