北九州市の門司港に向かう海上保安庁の巡視船で、海上保安官の説明を聞いているのは、海上保安大学校の2年生。10月から専門のコースに分かれるが希望の提出は6月なので、実際の巡視船の業務をみるのはコース選択の大きな参考になる。巡視船の舵を握った安河内脩人さんは、現場第一線で活躍している船を操縦する機会というのは、学生のうちはなかなかないのでかなり緊張したと話していた。広島・呉市の海上保安大学校は、幹部となる海上保安官を養成する唯一の学校。全寮制で4年間学ぶが大卒向けのコースもあり、学生は国家公務員として給与を支給されながら、必要な知識が技能を身につける。毎年、140人ほどの卒業生を輩出しているが、海上保安庁全体では人員の確保に苦心している。尖閣諸島周辺の警備強化などのために海上保安庁は巡視船・巡視艇を次々と増やしていて、その乗組員の確保も合って、職員の定員はこの10年で1200人ほど増えた。一方で、特に20~30代の若年層で、昨年度は389人が自己都合退職した。自己都合退職者は増加傾向で職場によっては定員を満たせない状況が生じている。海上保安大学校の2年生のカリキュラムには乗船実習がない。実習がないまま10月から航海・機関・通信のコースわけされる。先輩保安官の業務を実際に見たり体験するとこでミスマッチを防止し、任官拒否や早期退職を防止することが新たに始まったインターンシップの狙い。船での生活がどのようなものかを知るために食事も重要。巡視船の舵を握った安河内脩人さんは「機関科と航海科の2つに絞ることができた」などと話していた。航海は約9時間。短いインターンシップだったが未来の海上保安官にとっては、貴重な体験になったよう。
住所: 広島県呉市若葉町5-1
URL: http://www.jcga.ac.jp/
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