農林水産省は去年産の主食用米の需要見通しは681万トンとしていたが、7月に出した実際の需要量は702万トン。外国人旅行者の消費が増えたこと、猛暑による品質低下、地震や台風で買い込みが発生した結果、品薄に拍車をかけたという。農水省の見通しでは主食用米の需要は人口減少などを鑑み、毎年10万トン程度減るとされ、今年のような想定外の増加があると価格が高騰しやすくなる。すると、買い手が減って需要も減るが、価格維持のためいっそう生産を抑制してしまうという。生産コストを抑え、米の価格を下げられれば、価格競争力がアップして輸出も可能になる。国内の市場が縮小しても生産規模が維持でき、食料自給率の上昇にもつながる。不作でもないのに、主食である米が店の棚から消える事態は二度と起こすべきではなく、米の消費が増えるという好機も逃すべきではない。石破総理は米の国内消費、輸出拡大を訴えていて、現行の政策の枠組みを見直す必要がある。