20年ぶりに新紙幣が発行された。金融機関では朝から多くの人が列を作った。新一万円札の肖像となった渋沢栄一の故郷である埼玉・深谷市でも列ができた。千円札は北里柴三郎、五千円札は津田梅子にバトンタッチ。茨城・つくば市の子ども社会塾では新紙幣を使ってお金に関する授業が行われた。キャッシュレス決済が消費支出に占める割合は去年39.3%となり、2010年の約3倍に拡大。JR東海バスは一部のバスを除き、運賃箱の運用を取りやめる。日銀出身の麗澤大学・中島真志教授は「着実にキャシュレス化が進んでいく。今から20年経ったらデジタル円ができてかなり使われているはずで、今回の改刷(新札発行)が最後になるんじゃないか」と語った。昭和の高度成長期を象徴したのが聖徳太子の一万円札。懸命に働いてお金を貯めることが美徳とされた。1984年に夏目漱石・福沢諭吉のお札が登場すると、バブル経済となり、株や不動産に資金が流入。当時の新聞には「財テク」の文字が踊った。バブルが崩壊すると1990年代後半は金融危機となり、タンス貯金が広がった。