優勝は逃したものの、ショートパスを繋ぎ一気にゴールに襲いかかる攻撃的なサッカーを貫いた近江高校サッカー部。今は3年生が引退し新たなチーム作りが始まったばかり。この日はAチーム25名の練習だった。2020年度に高校サッカー選手権に初出場すると、その3年後には準優勝。そんなサッカー部を指導する前田は経歴も型破りである。清水エスパルスに入団するも2年で退団。その後シンガポールやドイツ5部でプレーし、22歳で現役引退した。帰国後再就職を目指し入学した大学在学中には、バックパッカーとして30カ国を放浪したという。一方で指導者になったのもその頃。関西学院大学サッカー部のコーチに就任し、卒業後はヘッドコーチへ。そして2015年近江高校サッカー部監督に就任した。部員4人からスタートしたが、2年目にはインターハイに出場。強豪となった近江高校の裏には、前田が掲げた「Be Pirates」というスローガンがある。