静岡市清水区にある昭和初期に創業した老舗の缶詰製造会社を訪ねた。川島大典さんはツナ缶の開発や販売に携わっている。工場内部を特別に案内してもらった。使用しているビンナガマグロは身が白いのが特徴。ビンナガマグロはクセがなくツナ缶に最適だという。臭みの原因となる血合いを蒸したまぐろからそぎ落としている。削った身を輪切りにするため、レーンに並べていくが、隙間ができてしまう。そこで、別の身から最適なサイズを取り分けて埋めていく。詰められたツナ缶を見せていただくと年輪のような模様がキレイに入っていた。注がれているのは綿実油という油。綿の種から抽出した綿実油は大豆油の2倍の値段がする。この油につけて1年間熟成することでツナ缶がようやく完成する。いちばんおいしい状態であるという思いから熟成期間を設けているのだという。