東京都内に建つビルの数は17万8000棟。ペンシルビルが急激に増えたのはバブル期。増大するオフィス需要を背景に狭い土地でもビルを建てれば入居者が見込めると次々に建てられた。ペンシルビルは日本独特の建物としていま海外で注目を集めている。スペインでは日本のペンシルビルを特集した専門書が出版されるほど。伊野尾慧がペンシルビルを訪ねた。1つ目は江東区の高さ31mの賃貸マンション。設計した伊藤博之さんに中を見せてもらった。エレベーターを降りるとすぐにエレベーターホール兼玄関になっている。広さ34平米のワンルーム。梁を使った段差のおかげで広く感じることができフロアの高さを変えることで生活空間を分けている。2つ目は渋谷区の高さ14mの賃貸ビル。入口の幅は78.5cm。設計者の平井さんによると柱の代わりにCLTを使って強度を高めている。CLTは国産の木材の活用につながるため国が普及を促進している。大きな窓で借景したり天井を斜めにしたり階段に小さな穴を開けて光を取り込むなどして広さを感じさせている。