きょう公開されたドキュメンタリー映画「大きな家」。上映前、観客全員に「メッセージ」と書かれた手紙が配られた。「大きな家」は都内にある児童養護施設で死別や育児放棄、虐待、経済的理由など様々な理由で親元を離れて暮らす子供たちの日常を描いたドキュメンタリー映画。企画プロデュースを手掛けたのは齊藤工。きっかけは作品に登場する児童養護施設のイベントに出席したことだった。現在、社会的養護のもとで暮らす子供は全国でおよそ4万2000人いるといわれている。通常、さまざまな背景から施設の子供たちの顔は隠されることが多いが、この映画では素顔のままで出演している。そのため鑑賞できるのは映画館のみ。出演者たちへの配慮として配信やDVDといったパッケージ化もされない。齊藤は監督の竹林たちと何度も打ち合わせを重ねた。この日は劇場で配る手紙の打ち合わせ。手紙の配布を決めたのには2021年公開、竹林監督の映画「14歳の栞」の影響があった。実在する中学校の一クラスに密着したドキュメンタリーで上映時、出演した子供たちへの配慮を忘れないよう1枚のチラシを配布した。今回、パンフレットの売り上げの一部はこの作品を普及させる活動資金としても活用されていく。