コメの品薄が続く中、ふるさと納税にも影響が広がっている。返礼品を選べるホームページでは、コメの部分が選べなくなっている。茨城県の自治体では、去年産の在庫がなくなったとして、受け付けを停止するケースが相次いでいる。炊きたてのごはんが食べ放題ということで、若者にも人気の東京・渋谷の飲食店で、1日に使用するコメは約30キロ。しかし来月以降、取り引き先からは、1キロ当たり200円ほど価格が上昇するといわれているため、値上げも検討せざるをえないとしている。加藤雄大店長は「利益を考えると食材費高騰は(影響が)大きい。価格・流通量は落ち着いてほしい」と語った。急がれる新米の収穫。ただ台風10号の影響が残っている地域もある。大雨が続いた静岡・島田市の田んぼでは、土がぬかるみ、コンバインを使った収穫作業ができない状態が続いている。農家・北川英行さんは「コメの収穫時期にこれだけ長い間雨がふるのは今までなかった。普段ならもう始まっている作業がまだできていない。収穫もその分は後ろにずれ込んでしまう」と語った。生活に困っている人を支援する団体に、無料で食料を提供しているNPO法人フードバンク関西。寄付されたコメの量が、先月から大きく減っている。在庫は例年の半分程度しかないため、一部の団体にはコメが提供できない状態になっている。子どもたちの給食にも影響が出ている。栃木・足利市の保育所では先月、JAに注文するため連絡を取ったところ、コメの「在庫がない」と返答があり、必要な量を確保するため、高く仕入れざるをえなかった。茨城・取手市、牛久市、八千代町では、在庫がなくなったとして、去年産のコメを返礼品としたふるさと納税の受け付けを停止。八千代町は新米を対象とした受け付けを再開させたが、今年度の寄付額は大きく減少する見込み。兵庫・神戸市の産直施設では、ことし収穫された新米が店頭に並び始めた。コメ農家に農協が支払う概算金は、いずれも60キロ当たりで、秋田県産のあきたこまちや新潟県産と富山県産のコシヒカリで、去年より2割〜3割以上、高くなっている。こうした概算金の増額が、店頭での販売価格にも影響し、ことしの新米は例年より、いくぶん高くなるのではないかと見られている。