外交文書がきのう公開された。外交文書には米国でクリントン政権が発足したあと、1993年4月にかけて当時の宮沢総理大臣や渡辺外務大臣がワシントンを訪れて要人と会談した際のやり取りなどが記されている。日米首脳会談では、米国で中国に対する貿易上の「最恵国待遇」を継続すべきか議論されていたことを踏まえ、クリントン大統領が「中国についてどう考えているか」と尋ねている。これに対し、宮沢総理大臣は「当分の間は脅威になることはない。オリンピックを招致しようとしており平和主義が貫かれていくと思う」と述べ、最恵国待遇の継続を支持している。一方、「その後も平和主義が貫かれる保障はない」とした上で「中国の経済が発展していけば、軍事的な野心を発揮していく余地は十分ある。中国人の生活水準が高まっていくにつれ民主主義が定着していくという説もあるが、自分は懐疑的だ」と指摘している。また、渡辺外務大臣とレイク大統領補佐官との会談では、補佐官が「経済が成長する一方、政治面での弾圧が続けば将来、爆発しかねない」と伝えている。これに対し、渡辺大臣は「歴史的経緯を踏まえ仲よくしていく必要がある。天安門事件のような人権弾圧はあるが、中国民衆がいかに受け止めているか念頭に置くべきだ」と応じている。