神戸市灘区には子供から大人まで集える手芸店がある。この店の2階は要介護の高齢者を対象に手芸ができる福祉施設になっている。店主の平岡千里さんは2年前の9月、店と施設を立ち上げた。約20年にわたり介護事業の運営に携わってきた平岡さんは、高齢者にもっと元気に過ごしてほしいと手芸を活用した居場所作りを思いついた。1階の手芸店には子供たちも集まってくる。子供たちに向けては普段は手芸教室を開いているが、今年からは食事や読書もできる「自習室」を夏休み限定で有料で始めた。子供の居場所としても活用してほしいとしている。1階と2階は自由に行き来できる。10歳の女児が人生の大先輩から手芸を教わる姿も。世代を超えた交流は広がり、新たな発見や刺激につながっているという。平岡さんは手芸をきっかけにこれからも店が地域の中で人と人とをつなぐ居場所になってほしいと考えている。