以前の東北では大雨の頻度はそれほど高くなかった。しかし、ここ10年の間で頻発化しかつての経験が役立たない新たなフェーズに突入している。東北大学の須賀所長は「トップクラスの温度上昇を示している海域である。海面水温が高いということは大雨を降らせるポテンシャルが常に高い状態にある」などと話した。海面水温の上昇によって、周りの空気はより多くの水分を含むようになる。特にこれからの大雨のシーズンは東北にかかる梅雨前線に向かって非常に暖かく湿った空気が流れ込むことで雨雲が発達し、東北地方にかつてない大雨をもたらす状況が生まれている。4年前の2020年には秋田や山形などで記録的大雨が降り、一昨年には青森と秋田で線状降水帯が発生し山形では大雨の特別警報が発表された。須賀所長は「雨の多い九州で起こっていることが、東北でも起こるような状態に近づいているのは間違いない」などと話した。