- 出演者
- 高井伴明 山中翔太
東北ではここ10年余りの間にかつてない頻度で大雨災害が発生している。専門家は地球規模の気候変動が背景の1つだと指摘している。さらに指摘されているのが、東北の都市や山林の大雨に対するぜい弱さである。かつてないレベルに高まっているリスクに大切な人の命を守るためにできることとは何か。番組は去年7月、記録的大雨に見舞われた秋田で、消防によせられた通報記録を初入手した。多く発生したキーワードを分析したところ、今すぐ備えておくべきことが見えてきた。今年も大雨シーズンは目前である。
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- 秋田県
オープニング映像。
梅雨入りに関する解説。東北地方では梅雨入りが近づいており、大雨への備えが必要な季節である。今夜は去年7月の記録的大雨で、7000棟以上の被害が発生した秋田からお伝えするという。水害はここ10年毎年のように起きていて、2016年には台風10号が岩手で災害関連死も含めて29人が犠牲となった。2019年には福島と宮城で阿武隈川などが氾濫し4万5000棟を超える住宅被害が発生した。東北でも今後、激甚化・頻発化が指摘されている水害から、命や暮らしをどう守っていけば良いのか。今回参考にするのは去年の秋田で記録的大雨の時に消防によせられた通報記録である。その中でも「避難」や「冠水」など字が大きいほどよく使われた言葉だとのこと。中でも「避難が出来ない」という言葉は切実な訴えであった。
去年7月15日の秋田市内では、前日から降り続いた大雨で市の中心近くを流れる川が氾濫し、人口の多い地域が水に浸かった。消防には水に浸かった家の中から逃げられないという通報が相次いだ。1日のうちに半月分の通報が多く、救助の手が足りず直ぐには答えられない要請もあったという。浸水の被害に遭った三好さんは秋田市内のハザードマップを事前に見ていなかったことで避難が遅れてしまったとのこと。三好さんは「こんなことは絶対起きないだろうという身勝手な判断だった」などと話した。
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- 秋田市(秋田)
以前の東北では大雨の頻度はそれほど高くなかった。しかし、ここ10年の間で頻発化しかつての経験が役立たない新たなフェーズに突入している。東北大学の須賀所長は「トップクラスの温度上昇を示している海域である。海面水温が高いということは大雨を降らせるポテンシャルが常に高い状態にある」などと話した。海面水温の上昇によって、周りの空気はより多くの水分を含むようになる。特にこれからの大雨のシーズンは東北にかかる梅雨前線に向かって非常に暖かく湿った空気が流れ込むことで雨雲が発達し、東北地方にかつてない大雨をもたらす状況が生まれている。4年前の2020年には秋田や山形などで記録的大雨が降り、一昨年には青森と秋田で線状降水帯が発生し山形では大雨の特別警報が発表された。須賀所長は「雨の多い九州で起こっていることが、東北でも起こるような状態に近づいているのは間違いない」などと話した。
九州の夏の降水量が東北の2倍である。大雨が見込まれる中で、東北の備えの脆弱さが見えてきた。その1つが下水道などの排水能力の低さである。去年の秋田ではマンホールから水が逆流する内水氾濫が発生していた。内水氾濫は下水道に流れ込む水が排水能力を越えた時に起こるものである。この排水能力の基準を東北の県庁所在地で見ると、1時間あたり36mm~52mmで、元々雨の多い九州と比べると基準が低いのである。国土交通省の外山さんは「水害の激甚化・地球温暖化に伴って降水量が変わるので、過去算出した降雨の計画から比べると、現況は排水能力が追いつかない」などと話した。
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- 国土交通省東北地方整備局秋田県鹿児島県
2019年の台風19号では福島県と宮城県を流れる阿武隈川流域の堤防が52か所決壊し、東北全体で4万5千棟を超える住宅被害が発生した。堤防が決壊すると一気に濁流が周辺に押し寄せるため避難の時間はほとんどなく、特に大河川の場合は上流の水が押し寄せるまで時間がかかるため雨のピークが過ぎた後も危険な状態がしばらく続く。東北ではこれまで雨が少なかったこともあって堤防整備の基準が九州などと比較して少なく、近年の大雨に対して弱いことがあげられる。秋田市では大規模な河川改修工事などを行っているが、完成までは長い時間が必要になるため、日頃からハザードマップを確認して備えをしておく必要がある。
東北の大雨では土砂災害も多数発生し、2016年には岩手県・岩泉町の高齢者施設が土砂崩れに巻き込まれて9人が亡くなるなど犠牲者も出ている。専門家によると東北地方ではこれまで大雨の頻度が少なく山崩れも少なかったため、大雨によって崩れる危険性がある場所が多数残っているという。去年秋田県で発生した大雨災害では避難指示が出された3時間半後に実際に土砂崩れが発生するケースもあり、この際時間の短さから避難できずにいた人もいた。こうしたことから大雨の際は気象庁のキキクルで最新の土砂災害の危険度などを把握して避難に活用することなどが重要になる。
自治体が発する避難情報はテレビからも把握することができ、リモコンのdボタンを押下してそのまま防災・生活情報を押すことで各地の避難情報を見ることが出来る。さらにその画面から詳しく避難情報を知ることも出来る。住んでいる地域に高齢者等避難が出ている場合は家族などの状況に応じて避難を検討し、避難指示が出ている場合は全員危険な場所から速やかに避難する必要がある。緊急安全確保が出されている場合は既に避難が出来ないことが想定されているため、避難指示が出た時点で避難をする必要がある。
去年7月の秋田。至る所で車が立ち往生し救助を求める通報も相次いだ。五城目町では川から溢れた水に浸かった車の中で男性が亡くなった。車の中に閉じ込められたらどうするのかを消防の全面協力のもと実験。多くの車は水深約30cmでエンジンに水が入って止まり、パワーウィンドウなどが動かなくなる。水がドアの半分の高さを超えると水圧で開けられなくなる。ビニール傘などで車の窓を割ろうとするが割れなかった。消防隊員が備えて欲しいというのが緊急脱出用ハンマー。簡単に窓が割れた。その後ハンマーで残った窓ガラスを割り車の上に乗り助けを呼んだ。車内にハンマーが無い場合はヘッドレストを窓ガラスとドアの間に差し込んで割る方法もあるが作業に時間がかかり、割れないこともあるため確実な方法とは言えない。
東北の気象情報を伝えた。
紹介したキキクルなどの他に画面左側のQRコードからも非常用持ち出し袋などの準備のポイントをまとめている。中山さんは「あなたとあなたの大切な人を守るため今出来ることから始めて下さい」などと話した。
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- キキクル(危険度分布)
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