北村によるとタロとジロ以外に生きていた犬がもう一頭いたという。それがリーダー犬のリキだった。犬ぞりの先頭に立つリキは天然の冷凍庫に食料があることを知っていた。また、100km以上離れた場所に2頭を連れていけるのも抜群の方向感覚を持つリキ以外あり得ないという。しかしリキは北村と再会する前に息を引き取った。その後ジロは第4次越冬隊まで南極に残り、4歳6か月で息を引き取った。タロも第4次越冬隊まで南極に残ったが、ジロが亡くなったことをきっかけに日本へ帰国。生まれ育った北海道に戻り、動物学の権威である北海道大学の犬飼哲夫教授のもとで余生を過ごした。そして14歳7か月で息を引き取った。リキの孫やひ孫も越冬隊に参加し、日本の南極観測を支え続けた。