発生から4日目となった愛媛・今治市の山林火災はため池の水を使っての消火活動が行われているが、焼けた面積は昨日より100ha以上広がり、依然鎮圧の見通しは立っていない。火災への対処を一層難しくさせているのが、今治市長も「なぜここに飛ぶのか」と驚いたという予測困難な飛び火の怖さ。昨日、いくつもの建物が燃えた火災現場。今治市の発表では住宅7棟、倉庫2棟に被害が出ている。焼損面積は、昨日約306haだったが、417haにまで拡大。延焼が続いている。山は今日未明も激しく燃えた。撮影した今治市消防団員・曽我部栄司さんは「火の粉もだいぶ飛んでいる状況」と語った。4日目を迎えた愛媛県今治市の山林火災。山から噴き出る煙は、風にあおられほぼ真横に流されていた。火元がいくつもあるのか。今日も煙の柱が何本も立ち上っていた。今治市には22日から乾燥注意報が出たまま。降水量は昨日までの20日間で22ミリと平年の35%にとどまっている。急斜面の火災はヘリによる空中消火が頼り。消防用水は近くのため池から運んでいる。今日は県外からの消防防災ヘリと自衛隊ヘリの計12機が消火に当たった。愛媛県は全国と比べ河川の流域面積が小さく、また降った雨の多くが他の県に流れるという地形。そのため県内に3147もの農業用ため池が作られていて火災時には消防用水としても使われる。きのう工場などが燃えた今治市の火災現場の周辺にも数多くのため池がある。しかし今治市消防団今治方面・野村明隊長は「池が今のり面の工事のため水を抜いている」と語った。県ではため池の多くが100年以上経過し老朽化が激しいため、対策工事を進めている最中。また水が残っているため池も水位が下がっている。さらに地上の消火活動にも足かせになったものがあった。今治市消防団今治方面・野村明隊長は「消火栓にあたっても、メインの道路、幹線にあるだけ。だんだん消火栓は末端になるのでない。(ホースも足りないことがある?)ある」と語った。昨日、火が間近に迫った愛媛・今治市・緑ヶ丘団地を取材。団地の路上では消火活動が行われていたホースがまだ、そのままとなっている。放水するまでの時間がネックになるという。野村隊長は「水が通るまで20分や30分近くかかる場合もある」と語った。停電の恐れも出ている。四国電力送配電は、火が送電線の近くまで迫っているため愛媛・今治市内の約7万6000世帯に停電が発生する可能性があるとしている。万一に備え、約100台の移動電源車を手配している。今治市は火災発生以来、初めて市長が会見を開いた。今治市・徳永繁樹市長は「愛媛県知事から災害救助法の適用を要請するとの話をもらった。適用を受けると応急救助の費用について、県、国に負担をしてもらえる。一刻も早い鎮火を目指して、引き続き全力で消火を進める」、延焼拡大の原因については「乾燥もあるが、強風とあいまったこともある。いきなりの風で飛び火をして。なぜここへ飛ぶのか、信じられないところもあった。自然の猛威を改めて感じている」と述べた。火災発生から4日目となった岡山・岡山市。ヘリによる消火活動が続いている。約546haが焼損。避難指示は、岡山市と玉野市の計1091世帯、2133人に出されている。岡山市南消防署・末友裕二消防司令長は「山林なのでホースラインを有効なところまで延長するのが難しい」「風。対応以上に火災があおられて、次に延焼していくという状況が起きている」と語った。依然として延焼が続いていて鎮圧のめどは立っていない。