3日に長嶋茂雄の訃報が報じられた。自宅を最初に訪れたのは盟友の王貞治だった。東京六大学野球のスターだった長嶋は1958年に巨人に入団すると、1年目でホームラン王と打点王を獲得した。その勝負強さが人々の心を奪った。昭和天皇が初めてプロ野球を観戦した天覧試合で、入団2年目の長嶋はサヨナラホームランを打った。長嶋人気を支えたもう1つの理由は、プレーに華があることだった。打てなくてもファンに楽しんでもらおうと、空振りをして豪快にヘルメットを跳ばした。サード守備のフィールディングでは、歌舞伎の所作を意識した。当時長嶋とともに「ON」を並び称されたと王は、2人が活躍するたびにファンの期待は高まっていったと振り返った。