被災地の陶磁器を無償で修復する話題の匠がいた。能登半島地震で壊れた骨董品を無償で再生している美術家のアトリエへ。東京・荻窪にアトリエ「6次元」を構えるナカムラクニオさん。ナカムラさんが行っているのは金継ぎ。石川県の被災地から受けた修復依頼は40件以上。全て無償で行っている。人間国宝・三代徳田八十吉作、九谷焼の花瓶の折れてしまった首部分を修復。希少な古九谷の花瓶。地震発生日の元日に飾ってその日に割れてしまったという。バラバラに割れた花瓶は4カ月かけて接着。つなぎ目を金粉で装飾していく。金継ぎは海外で大人気。ナカムラさんが無償で修理するワケは、ナカムラさんも輪島市と珠洲市のアトリエが地震で大規模半壊。「器自体も結構長く使っていると自分の分身みたいに感じる。だから自分の分身を直すことによって自分も再生できるって思ってくれたらいい」などと話した。