現代の目安箱“パブリックコメント”。2020年に川崎市で施行された条例がパブリックコメントにより反映された。寄せられている意見の数は近年では1万を超えるものもある。放射性物質を含む土の再生利用に関する意見募集では、寄せられた20万件のうち96%が同じ文章で、同じ名前の人が1000件以上投稿しているケースもあった。職員はコピーされた投稿が増え大事な意見を見落としてしまわないか危惧している。20年前にパブリックコメント制度の立ち上げに関わった常岡教授は「同じ意見が多数寄せられるのは制度趣旨に沿わない」とし、意見募集のタイミングが問題だと指摘する。