岩手県・陸前高田市の海沿いのあるのが奇跡の一本松である。15年前、東日本大震災で発生した巨大津波により壊滅的な被害を受けた陸前高田市で死者1560人で行方不明は201人となっている。沿岸部の街に残されたのは大量の瓦礫でそこには「アルバム」「ぬいぐるみ」があり、暮らしている人の「思い出の品」もあった。三陸アーカイブ減災センターの秋山真理代表は津波で流された写真など「思い出の品」を保管・返却するなどの活動をしている。物品は約2400点で写真・プリントシールは約7万4000枚を保管している。15年間で返却したのは物品3000点以上で写真・プリントシールは推定22万枚に及ぶ。会員登録すればオンラインで探せるシステムを導入し、出張返却会を各地で行ってきた。市内で行われた返却会では「思い出の品」の写真・情報をパソコンで探すことができる。陸前高田市に住む河野満さんは震災で妻・両親を亡くし、自宅は津波で流されていた。身の回りのものも全て失ったが、数年前に秋山さんの団体が妻・美恵子さんの写真を見つけていた。震災後しばらくはこうした写真を探す余裕はなく、子育てを最優先。そこには亡き妻の思いもあった。一方「思い出の品」を被災者に戻す取り組みは岐路に立たされている。福島・いわき市は去年、思い出の品の返還事業を終了。持ち主のわからない約5000点のお焚き上げが行われた。「思い出の品」は環境省の指針に基づき自治体などで保管され、所有者に引き渡す機会が設けられていた。ただ月日の経過とともに「引き渡し数の減少」「劣化」「保管場所」などの問題に直面。岩手・宮城・福島の沿岸37市町村を取材すると保管を続けているのは12市町村となっていることがわかった。「思い出の品」を被災者に返し続けてきた秋山さんは「探せる環境」を残すべきだと考えている。
